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リーマンショックの裏で


2008年9月15日に、アメリカ合衆国の投資銀行であるリーマン・ブラザーズが破綻(Bankruptcy of Lehman Brothers)したことに端を発し、世界的金融危機が発生しました。我が社にも多大な影響があり、経営が大きく揺らぎました。それまでの企業向けの製品戦略から、消費者向けの製品戦略へ方向転換を余儀なくされ、非常事態の中を彷徨っていた記憶があります。後年になってあれは一体何だったのだろうという疑問が残り続けていました。そんな折に書評で見つけた本書でした。
「ガイトナー回顧録」当時のアメリカ財務長官の回顧録です。非常に優秀な人間が、金融危機に真摯に向き合い、努力を重ねて対処していく様は、感動を呼びます。日米の違い、議会、政治家、大衆と、社会構成のなかでの絡み合った動きに、考えさせられるとともに、参考になることが多くありました。リーマンショックの裏で、こんなにも多くドラマがあったのだと実感し、世界的危機の中で揺れる小さな企業のはかなさも感じます。